勝手に書評 -2ページ目

【裁判官の爆笑お言葉集】著者:長嶺超輝

長嶺 超輝
裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書 な 3-1)

【一言評価】

裁判官のおことばが光る

【こんな方にお薦め】
裁判に興味のある方
人生ドラマを見たい方
公平を求めたい方

【管理人感想】
裁判には興味がありました。実際に裁判所に傍聴にいきたいと思いつつまだ行ったことはありませんけど。
それで「裁判官の爆笑お言葉集」との本題に惹かれて読みました。

やっぱ、裁判官はいいこと言う!と思ったのが一番大きかった。

私としてはもっとひとつひとつの裁判を詳しく見たかったのですが、そうするとこの本の趣旨とはことなるのでこれはこれでいいと思います。
ひろーく、あさーーーく、裁判官を知る という感じですか。

平成21年5月までに裁判員制度が施行されるそうですね。一般人が裁判官と向き合った制度がはじまるわけで、われわれ一般市民は一層裁判に感心が向きます。
この本では、裁判官が心情的にはもっと重い刑を科したいのに量刑相場がそれを許さないとき、裁判官は被告人に一段と痛烈な非難のメッセージを浴びせている と感じると書いていました。量刑相場と一般市民の処罰感情に大きなずれが生じた時には、裁判員が量刑決定に関与することはそのギャップを埋めるのに効果が あると思う。
でも、
一般市民の処罰感情が裁判官の量刑感覚より正しいとは言えない。何に重きを置くかでも変わってくるし。
完全にそれ、おかしいやろ!と思う量刑相場もあるんだけどね。

【裁判傍聴を記録したブログ】
名古屋地方裁判所 やじうま傍聴記

【くっすん大黒】著者:町田 康

町田 康
くっすん大黒

【一言評価】
陰惨

【こんな方にお薦め】
いない


【管理人感想】
読みはじめから最後まで不愉快だった。登場人物は自堕落で、ストーリーも陰惨。
暗い話が嫌いな私には特に嫌に感じた本だった。
何箇所かプッと笑うところはあっても、読んで良かったとは思えない。
著者が書いた「告白」という本を以前読んで素晴らしかったので、期待して読んだだけにショックが大きかった。
私にはこの本から受け取れるものはなかった。

【ちんぷんかん】著者:畠中 恵

畠中 恵
ちんぷんかん
【一言評価】
過保護な妖と病弱な若だんなの物語

【こんな方にお薦め】
前作 うそうそ を読まれた方

【管理人感想】
しゃばけシリーズの第6段
↓ネタバレなので注意して下さい

・鬼と子鬼
病弱な若だんなはとうとう三途の川まで行ってしまいました。三途の川を船で渡る為には6文必要・・・なんてあの世でもお金が必要なんですね。お金のないものは浅瀬を渡っていくしかないとか。衝撃だったのは、子供が死ぬとどうなるかだった。川原で子供達が自分の背丈ほどもアル石を積み上げるとどこからともなく鬼が現れて蹴散らかしていく。鬼達がその石の塔を仏への供養として受け入れ、川を渡してくれるまで、石を積み上げるしかないのだ。幼い子が賽の川原で石を積むのには理由がある。幼過ぎて御仏の教えを聞いたり、布施を出来ずに死んだ者達が、その代わりとしてやっていることであった。
鳴家達を元の世界に戻す為に若だんなは真っ暗な道へ引き返すのを選んだ時、金子を末松に預ける。それなのに末松は、若だんな達が逃げようとしていると鬼に伝えた。若だんなに優しくされた子供がわが身可愛さと嫉妬で若だんなを鬼に売るところ、殺伐としていてぐさっとささりますね。

・ちんぷんかん
広徳寺の妖退治で高名な寛朝の弟子・秋英の物語。
鶴亀算が出てきました♪

・男ぶり
長崎屋若だんなの母・おたえと父・藤兵衛の馴れ初め
・・・藤兵衛、おたえにベタぼれですな。

・今 昔
式紙が若だんなを襲う。陰陽師が狙っているのは誰か。

・はるがいくよ
一番好きな話かも。
桜の花びらの小紅。成長が早く、桜の花びらであるがゆえにすぐに散ってしまうと若だんな達は悟る。若だんなはそれが悲しい。なんとか小紅をとどめる方法はないかと思案する。一方若だんなをずっと育ててきた妖の手代二人は、若だんなが小紅に抱く気持ちと、長命の妖である自分達が若だんなに抱く気持ちが重なる。

「ねえ、小紅。もし・・・もし神の庭でいつまでも咲いていられるのなら、そうしたいかい?」
さらりと聞く。すると、これまたあっさりと、小紅が首を振った。
「私がいつまでも木に居座ったら、木も次の年の花も困ってしまうわ」


【サイト内関連記事】

シリーズ第一弾 しゃばけ
シリーズ第二弾 ぬしさまへ
シリーズ第三弾 ねこのばば
シリーズ第四弾 おまけのこ
シリーズ第五弾 うそうそ

番外編 みぃつけた ・・・絵本

【ガール】著者:奥田英郎

奥田 英朗
ガール

【一言評価】
30代の女性のリアルな感情

【こんな方にお薦め】
30代女性と会社で接している男性
会社で働いている30代女性

【管理人感想】
若い時代が終った30代半ばの働く5人の女性それぞれの短編

課長職を拝命された武田聖子。みんなが仕事をしやすい様に常に配慮しながら部下の性格などを把握していこうとつとめる。自分が部下だった頃の上司の嫌な行動などを思い出し、そういうことはしないようにと。
しかしそんな聖子を悩ます部下が一人。自分よりも年上で男。仕事もできる。この男よりも自分が出世しているのがしっくりこない。上司にそれとなく聞いてみると派閥の問題らしい。その男のボスが戻ってくるまでの人事のようだった。

この男は、女房とホステスと部下しか女を知らない。そのいずれかには鷹揚に接し、守ってやるという姿勢を見せる。そして聖子や裕子のような男の庇護を求めない女に対しては、ひたすら敵対心を燃やす。

こんな男どこにでもいますよね。女に限らず男に対しても自分を頼ってくる者以外には敵対心を燃やすひと。徐々に徐々にお前は俺の子分になるのか?それともあいつの子分か?みたいな(笑)

我慢の限界に来た聖子はこの男とやりあいます。噂になるのを覚悟で。

男が怒ればカミナリを落とした、女が怒ればヒステリー。これもずいぶんな話だ。

すごくよく分かります。
怒ったら「なんだ 生理か?」「ヒスだすなよ」なーんて言葉は聞き飽きるくらい。
ガキか?って思うようなことでいちいち癇癪起こしてるような人が言うんですから。男尊女卑ですねこれは。

人並み以上の容姿に恵まれ若い頃から特権を享受してきた女の子が女となり
30代でもう若い子の扱いをされなくなった。働く独身女性だから身なりもお金がかかっていてよい。
だが周りから今までと違った扱い。そんな女性がこの先どう立っていけばいいのか悩む様子など
こと細かいリアルな描写。

5人の女性の物語を読んで大きく頷く事が多かった。

全ての話が最後はうまくまとまって終るから後味がよい
リアルにこんなにうまくはいかないよとも思うが、これはこれでいいのです。

【みぃつけた】著者:畠中 恵

畠中 恵, 柴田 ゆう
みぃつけた

【一言評価】
絵がかわいい

【こんな方にお薦め】
家鳴と若だんなの出会いを知りたい方
絵本が好きな方

【管理人感想】
しゃばけシリーズの番外編かな。絵がたくさんあってどうやら絵本みたいです。
しゃばけシリーズの小説を買うと拍子にかわいい絵がありますね。そのキャラクターと同じです。

幼い若だんなと家鳴りが出会い
ひとりで寂しく眠らなくてもよくなったいうお話

若だんなが家鳴りに「ねぇ、お友達になってよ。一番のお友達に」と言ったら
家鳴りはどうやら一番と言う言葉が好きらしく「一番?われが一番?」としきりに繰り返し
「われは家鳴。一太郎の一番のお友だち」いちばーんっと言って両の手をぱたぱたと嬉しく振ります。

家鳴かわいすぎ♪

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