【他人事】著者:平山夢明 | 勝手に書評

【他人事】著者:平山夢明

平山 夢明
他人事

【一言評価】

気味が悪い

【こんな方にお薦め】
・・・分からない

【管理人感想】
読みはじめから最後まで後味が悪かった。

某所で話題になっていた本だったので読んでみたのですが、想像していた恐さとは全く違った恐さでした。
昔ながらの怪談話が、非道の末に殺された者の恨みで化けてでるという恐さなら、コレは・・・非道の恐さ・・かな。

コワレテル

と言ってしまっていいような人々が

コワレテル

行動をとります。

子供達には触れさせたくない本。

非道と言えば昨今の企業の不祥事です。
この本と通じるものがある?!というと言い過ぎかな?

ネタバレ注意↓
どう恐いかと言うと、納得の出来ない恐さ。読んでいるとムカつくことと引くことばかりでした。

短編の一つ「他人事」でいうなら、
交通事故で足が挟まれ閉じ込められてしまう。車内には男性と女性。
一緒に乗っていたはずの娘がいないことに気づく女性が「いないーあみがいない」とパニックになっていると
「いや、いる。ここに怪我をしているよ」と声をかけてくる男性。車内の二人はこの男性に救急車を頼んだり、娘の様子を聞いたりするんだけどその対応が・・・
止血できませんか?傷口を押えるだけでいいと懇願する人に「でも手が汚れてしまうかもしれない・・・手が汚れたらどうすればいいんだ。水場はずっと向こうだし・・・服についたら、すぐに洗わないと染みになる。」とかなんとか。
怒って罵倒しながら、ちょっとでいいからあの子を連れてきたらどうなのよというと、落ちていた女の子の指を後部座席に投げ入れる。それを見て、人間じゃないというと、少しでいいっていうから持ってきてやったのに・・・呆れた女だな。とか言うの・・・

他の短編もまったく理解できない行動・言動をとる人達が登場して、気味が悪かった。